投稿者:Oko

モニュメンタ MONUMENTAに行ってきた


本サイトでも紹介しているモニュメンタ(於・グラン・パレ、1月13日~21日まで)に行ってきた。グラン・パレは1900年のパリ万博のメイン会場として建てられた建物で、鉄骨とガラス張りのドーム屋根で知られ、現在はおもに企画展に使われている。その本堂を使って2007年より開催されているのが現代アートイベント、モニュメンタ。これまで2度の開催ともに海外アーティストの作品が続いたが、今回3度目にして初めて自国の現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーに白羽の矢が立ち、彼の巨大なインスタレーションを展示する運びとなった。開催初日の前日12日夜には、国営放送France2や民放TF1の夜のニュースでもモニュメンタを大々的に取り上げており、期待して本日行ってみた。

ルタンスキーは「死者のモニュメント」でも知られ、その作品の多くがこの世から消えてしまった人びとの記憶に捧げられている。今回のインスタレーションのテーマは「Personnes」。直訳すれば「人間」だが、ボルタンスキーが伝えたいのは、彼のいつものテーマ「人間が生きた証やその記憶、死」だろう。


チケットを購入して本堂に足を踏み入れると、13500平米の広大なスペースには古着だらけ。ブロック毎に区切られた床には、男性もの、女性もの問わず様々な種類の古着が並べて寝かせられている。そしてその奥に、今回のインスタレーションの目玉でもある、高さ8~9メートルはあるかと思われる巨大な古着の山(!)があった。


山の上にはクレーンが設置されており、絶えず上下して、上部にある古着を釣っては投げ落す。宛ら「古着を釣る巨大なUFOキャッチャー」と言った所だろうか(描写が低レベルで申し訳ない)。残念ながら私はコンテンポラリーアートに非常に疎く深い感動を得ることはできなかったのだが、素人なりに感じとったことがいくつかあった。


まず、グランパレの本堂の雰囲気と作品の関係だ。本堂nefは広々としてはいるものの、内部は外部とほとんど変わらない気温で寒く、また、外光だけが頼りの暗い内部は、ある意味、酷な空間を既に演出している。そこに着古された服が、直に床に無機質に並べられていたり、あたかも死体の様に山積みされている様は、それだけで圧巻である。


また、今回の作品で使われている膨大な量の古着は、着られないほど汚くはないが、しっかり着古されたことがわかる状態の衣類で、まだ人の体温が残っていそうな、ある程度の気持ち悪さが滲み出ていた。「生」を伝える材料としては悪くないと思った。


巨大な山の上で絶えず動くクレーンが、ランダムに引っかかる服だけを掴み上げ、上へ上へと釣り上げた直後に、再度山の上に投げ落とす光景は、1回観れば飽きそうなものだが、不思議と何度も繰り返して観てしまう。



ある程度見続けていると、ばらまかれる古着の動きが綺麗だから観ているのではなく、次はどの服(人間)が引っかかって上から突き落とされるのか(裁かれるのか)というスリルで観ているのに気付いた。この光景はどこか芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を彷彿とさせた。


モニュメンタは、写真やドキュメンタリーなどの展示室が別途用意されているわけではなく、本当に「インスタレーションだけ」の展示だ。色々鑑賞できるだろうと期待して行ったので正直がっかりしたのは否めないが、期間中同時に行われている「心臓音の提供」は興味深いので記しておきたい。


クリスチャン・ボルタンスキーは、今年の瀬戸内国際芸術祭に向けた作
品制作の一環として、世界中の人々の心臓音の録音を行っており、モニュメンタ期間中、グランパレの本堂奥に設けられた専用の控室で、一般人からの心臓音を集めている。集められた音で作られる彼の次作品「心臓音のアーカイブ」は、香川県の豊島(瀬戸内海に浮かぶ島)に開館予定の美術館に設置される。


見学者のほとんどが心臓音の提供を希望するため、整理券をとったあと30分~40分は待たなければならない。室内に入ると聴診器みたいなものを渡され、左の胸にあてて1分じっとして録音したら終了。自分にもヘッドフォンが渡され同時に音を聴けるのだが、想像以上にクリアな音で聞こえてきたので驚きだった。5ユーロを払って売店でCD-ROMを購入すれば、自分の心臓音を焼いてもらうことも可能。

◆モニュメンタ2010公式サイト
www.monumenta.com/2010/

投稿者:山本啓介

がんばれ稲本! がんばれTV5!

サッカーのフランス1部リーグ、レンヌのMFの稲本潤一選手が川崎フロンターレに移籍することになった。

 

2009年も何度となくあと一歩のところで王座を手にすることができなかったフロンターレにとっては、今回の加入で攻守にわたる戦力アップを大いに期待したいところ。今年こそ最後のワンステップを乗り越えて栄冠を手にしてほしい。中村憲剛選手をはじめとする他プレーヤーとのコンビネーションも楽しみ。ひとたび波に乗ると怒涛の攻撃で相手チームを粉砕してきた川崎のゲームがまた面白くなりそうだ。

 

フランスのリーグ・アンには20チームが所属する。2002年からはリヨンが7連覇を果たしていたが、昨年はボルドーが勝利した。ボルドーは現在も独走中だ。残念ながら注目度の点ではヨーロッパの他国リーグに分があるようで、日本での放送機会もあまり多くはない。

 

そんな中、昨年9月からフランス語の国際放送TV5MONDE Japonの配信が始まった。

人気の高いサッカー番組ももちろんある。毎週のベストマッチをライブと録画でオンエアしているほか、リーグ1全試合と代表戦をダイジェスト伝える番組を配信中。ニュースや映画、ドキュメンタリー、フランス語講座など、日本語字幕を付した番組も充実してきた。

http://www.tv5monde.com/japon

 

ライブストリーミング配信により、日本にいながら24時間フランス語に触れる機会が手に入ることとなったわけだが、世の中にワープロも存在していなかった時代にフランス語の勉強を始めた者としては、たいへん月並みだが隔世の感がある。今の時代が羨ましくもあり、また授業をサボって名画座でフランス映画3本立てを見ていた頃が懐かしい…。

投稿者:Oko

ひさびさのパリ

久しぶりにパリに舞い戻ってきた。

4年前にこの町を離れた時は、「もう住みに戻ってはこれないかな」と思っていたが、日本に戻ってからもパリで暮らした5年の日々を忘れたことはなく、前回の滞在でやり残したことも多々あり、改めて違う角度からフランスに触れてみたいと昨秋ワーホリに応募、今年1年住むことになった。2010年はパリから、現地ならではの情報を掲載して行きたいと思う。

リに着いてまだ1週間も経たないが、ひょんなことからパリ(もしくはフランス)に戻ってきてしまう日本人は私だけではないようだ。事実、「昔、住んでいたんだけど・・」という出戻り組は私の周りに結構いる。数年のブランクを経ても人を惹きつけるこの町の魅力、いつ来ても心が軽くなったように感じられる心地よさの原点は、パリのちょっと時代遅れな街並みと、人々の「適度な無関心」にあるのかもしれない。

フランスは自由で、個人が個人として独立していてプライドが高く、ともすれば薄情でモラルがなく、冷淡な人々の集まる国と思われがちだ。しかし実際にこの国に住んでみると、フランス人は決して他人に無関心なワケではなく、適度な距離感をもって人間関係を築いている民族なのだということが良く分かる。ときどき本当にヒドイ人(他人はホントにどーでもいいのね!みたいな超自己チューな人とか。)もいるので一概には言えないのだが、フランス語でコミュニケーションが取れれば、意外と人間として温かみのある人々が集まっている国だということがわかるだろう。

リは国際色豊かな町で、異邦人である私でも正直に暮らし易い(アジアの顔をしているからといって奇異な目で見られたり・・は勿論ない!)。それ以外にもフランス社会特有の「自分にも他人にも正直な人が多い」、「暗黙の了解的な下らない礼儀がない」、「地位や階層を問わず、誰もが自分にそれなりの自信を持って生きている」ことなどがこの町の暮らしやすさかもしれないと思っている。

の1年をどう活用するか、既に焦っていたりもするのだが、滞在中に‘je me perds dans le maelstrom parisien qui engloutit tout..’などと嘆くことのないように、自分をしっかり持ってパリ生活を送っていきたいと思う。




投稿者:Mayumidon

旅へのいざない

あけましておめでとうございます。
新年のすがすがしい一日、今年はどんな場所へ旅に出ようかと思うと希望が膨らみます。

お正月はあちこちのテレビで世界の絶景が放映されるので、旅ごころをくすぐられっぱなしの方も多いことでしょう。テレビだけでなく、美しいグラビア誌、映画、小説、音楽など、旅のきっかけとなる要素は無数にあるわけですが、実際、世間の人はどんなことがきっかけで旅立ちを決意するんでしょうか。皆さんにとって「旅への誘い」とは何なのでしょう。


自分の昨年の夏休みを振りかえると、次の2本の映画に大きく影響されたのは間違いありません。
・ 『サン・ジャックへの道
・ 『レ・ブロンゼ ~日焼けした連中

コリーヌ・セロー監督の『サン・ジャックへの道』(2005年)は、ひょんなことから素姓の異なる者どうしが一緒になって、サンチアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩くことから生まれるコメディタッチのヒューマンドラマ。 
もう一方の『レ・ブロンゼ』はパトリス・ルコントの初期の監督作品(1978年)で、クラブメッドのバカンス村に集まった男女が繰り広げる一夏のハチャメチャ恋愛劇。フランスでは国民的おバカ映画として大ヒットし、その後「レ・ブロンゼ スキーに行く」など続編も製作されました。

 

見終わった後は「ああ、あんな場所を歩いてみたい、行ってみたい!」という気持ちになるのはもちろんのこと、ホテルじゃないバンガローや山小屋に泊まりながらの長期バカンスってなんだか楽しそう、フランス人の濃ゆい機関銃トークにも参戦したい、という気持ちが湧いてきます(互角に参戦は無理だとしても、合いの手くらいはうまく打てるようになりたい)。

 

それに映画よろしく滞在先で将来の伴侶まで見つかっちゃったりして...とよこしまな考えも。以前、インフォメーション担当のtamisanが「フランスで出会いを求めるならどんなとこへ行ったらいいのですか」というお問い合わせを受けたそうで、「こういう滞在型バカンス+アクティビティがお勧めです」などと横からでしゃばりかけた私ですが、まずは自分で試してみませんとね。

 

ということで行ってきましたコルシカ島、1週間のハイキングツアーへ参加しました。

 コルシカ山(resize).jpg    コルシカ山2(resize).jpg

 

いやはや、たいへん濃ゆい一週間、大満足なバカンスを過ごすことができました。
映画『サン・ジャック~』同様、知らない人どうしの自己紹介から始まり、後はガイドに導かれながら大自然の中を歩き、夜は山間いの村にある共同宿泊所(gite d'etapeジット・デタップ)に寝泊まり。コルシカの美味しいものを毎日リュックに詰め、絶景の中でピクニック(もちろんワイン付き、渓谷での水浴び付き、昼寝付き)。

よくストレス多いパリの都会生活を「メトロ・ブロ・ドド(地下鉄、仕事であとは寝るだけ)」と皮肉ったりしますが、コルシカでの一週間は「ランド・アペロ・ドド(ハイキング、アペリティフ、昼寝)」の繰り返しで、まさに天国でした。

 

残念ながら将来の伴侶は見つかりませんでしたが、ハイキング天国コルシカの様子は、しばらくブログでお伝えしますのでどうぞお楽しみに。それと、コルシカはフランス人の国内旅行としても大人気の旅先ですので、真夏の旅でも今のうちから計画を立てておくのがお勧めです。

投稿者:tamisan

のだめカンタービレ、私も見てきました!!

「のだめカンタービレ」は、ドラマを見始めてその面白さにはまってしまいました。

特に楽器の中でもピアノが好きなのですが、ストーリーではのだめの役が、「ピアノに関しては天才的な才能をもっているが、その他に関しては変態的(!?)な行動を取る」という、そのギャップ&発想がほんとによく描かれていて、毎回大笑いしながらドラマ見ていました。さらに、2008年新春スペシャルでヨーロッパロケで、パリのコンセルバトワールや町並みがドラマの舞台の一部となり、さらにのだめ熱はヒートアップ!!!Surprised ドラマはスペシャルもあわせて全てDVDに録画していますTongue out

ところで、のだめが留学したパリの 「コンセルヴァトワール(Conservatoire)ーパリ音楽院」ですが、場所は北東部に位置した、ラ・ヴィレット La Villetteと呼ばれる地区にあり、ここは”音楽都市”と”科学・産業都市”が集まった未来志向の総合エリアとなっています。

 

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(c)ATOUT FRANCE/Hervé Guignolet   音楽博物館(Cité de la Musique)

 

ストーリーの中で、のだめや千秋先輩が参加するコンクールの話が出てきますが、実は私もパリでコンクールを見に行ったことがあります。それは、パリで行われるピアノとバイオリン部門コンクール、「ロン=ティボー国際音楽コンクール」と呼ばれているもので、1943年から始まった非常に権威あるコンクールです。ピアノ・バイオリンと交互にコンクールがおこなわれるのですが、公式サイトに日本語が選べるようになっていて、さらに入賞者によるガラ・コンサートが東京で開かれているようですので、ご存知の方も多いかもしれません。

さてこのコンクールの選考(ピアノ部門)ですが、3段階の予選を経て準決勝、決勝と進み入賞者を決定します。

 

予選が行われるのは、パリの8区にある「パリ地方音楽院(Conservatoire à rayonnement régional de Paris)」で、一般の人も当日券を買って見に行くことができます。この「パリ地方音楽院」は、1990年に現在のヴィレット地区へ移転するまで、「パリ音楽院」があったところで、予選のチケット料金は5ユーロ~10ユーロ(650円~1300円くらい)です。予選段階からコンクール参加者のピアノを聞くことができることはなかなかないので、ピアノ趣味とする自分にとっても、とてもよい経験となりました。

 

そして準決勝→決勝とすすみ、最終選考&決勝はパリのエッフェル塔からも程近い、セーヌ川をはさんだ場所にあるフランス・ラジオ局・「ラジオ・フランス Maison de RADIO FRANCE」で行われます。昼の部と夜の部があり、私は夜の部へ行きました。当たり前なのですが、予選を勝ち抜いてきたピアノの精鋭が集まった熱気みなぎるもので、本当にみなすばらしい演奏で感動しました。

 

その時、17歳で出場して第3位に輝いた「ジャンーフレデリック ヌーブルジェ Jean-Frédéric Neuburger」が今年、東京のサントリーホールでコンサートを開き、幸運にも彼の演奏を聴きに行くことができました。。また同時期に行ったNHKホールでのコンサートの様子は、NHKの「N響曲アワー」でも放送されており、22歳となり一段と成長した彼のピアノを堪能できたことは、本当にうれしかったです。

 

パリは音楽の都。フランスへ観光旅行の際には是非、クラシック音楽を鑑賞してください!

千秋先輩に会えるかもしれません・・・・

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(c)ATOUT FRANCE/Flavien Prioreau  オペラ座(ガルニエ:主にパレエを公演)

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(c)ATOUT FRANCE/Nicole Lejeune  オペラ座(バスティーユ:主にオペラを公演)

 

 2009年もあとわずかとなりました。どうぞよいお年をお過ごしください。。。Bonnes fêtes!!

 

 

 

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